ある知り合いのオヤジがこう言いました。
「日本をダメにしたのはSONYと任天堂だ!」
♪やめられない、止まらない♪になってしまうゲーム大好き青少年たちを憂いでのご発言であります。
SONYさんにも任天堂さんにも「いつもいつも息子がお世話になっております~」のアタクシ。お世話になっておるのに文句を言えた義理ではありませんが、この偉大なる2社さまを筆頭にゲーム業界さまには是非ともお願いしたいのでございます。
「どこでもセーブ」を作ってもらえませんか。
「タケコプター」も「どこでもドア」もいらないから、まずはこっちを先にお願いします。
これさえあれば全国の、いえ全世界の母たちの血圧上昇を抑止することができるんです。
「そろそろゲーム、やめなさ~い」
母は誰しも天使ですから(じゃないと24時間365日無料ご奉仕でコストパフォーマンスがめちゃった悪いったらありゃしない我が子の世話なんかできゃしません。そういう意味でも母は誰しも心清き天使であります)
最初はやさしくやさしく言っております。
子どもは大抵この時点では「わかった~」とか「今やめる」とか調子いいこと抜かしやがります。
「もうすぐお夕飯よ。早くゲームを終わらせて」
母のトーンが若干高くなりましたが、そんな微細な変化を気にしているようじゃ将来大物になれませんから子どもは大抵無視します。
母は言います。
「ちょっとー? 何やってるの? 冷めちゃうでしょう? 早くしなさい!」
子どももまったくの阿呆ではありませんから何か返事をしなければ極めてヤバイ状態に陥るというのは重々承知。そこでこう言って切り抜けます。
「今、セーブするとこだから。ちょっとだけ待って!」
母はなんてやさしいのでせう。
「そぉ? なんかやめようと努力をしているみたいだから、ここはちょっとだけ待っててあげましょうか」という気になったりするもんです。
ゲームに興味がない母にはこの傾向が顕著にでます。
意味不明な横文字を自信たっぷりにエラそー言われるわけですから
「セーブ? なんだか知らないけど横文字じゃない?(嬉)」なんて勘違いを起こしてしまいます。
この「セーブ」という機能。不思議なもので「(ゲームを終了するために)セーブをしよう!」と決意した時点から、あらら不思議。待てど暮らせど出来ないしくみになってるらしいです。
いやね、こんなことはアタクシの家だけに起きる特殊現象なのかと長年思っておりましたが、どうもたくさんの天使母たちに聞いたところ、どこのご家庭でも「セーブポイント」とやらに辿り着くまでに時計の短針が動きかねないくらいの時間がかかるらしいです。
これが試験直前だったりしたもんにゃ、もう大変です。
天使母だって天国から地上、一気に地獄まで行き着くような勢いで話しますから、母たる者、地獄のお声で話すときには家中の窓を閉めてからが鉄則です。
さもなくばご近所に「あら~、○○中学は明日から中間試験なのねぇ」という個人情報が
筒抜けになってしまいます。
「アンタ、セーブに何時間かかってるの! いい加減にしなさいっっ!」
子どもも憎たらしいことにこう言うでしょう。
「何時間もかかってねぇっし!」
アタクシはこう思うんであります。もし「どこでもセーブ」という機能が付いていて母が怒鳴った瞬間にゲーム終了ということが出来るものであるならば、あのお宅のゲーム機は2階から空を舞うこともなかったであろうし、あのお宅のゲーム機も"カナヅチゴン"なんて"タンスにゴン"じゃないんですから、そんな悲惨な運命を辿らなくてもよかったと思うんです。
もっと言えば、あのお宅のゲーム機も鍋で煮沸消毒されるような目に合わずに済んだかもしれません。ゲーム機だって「俺は医療用具じゃねー!」って叫んでたかもしれません。
尚も言うと、あのお宅のビデオとDVDとテレビのコードも一度に"ブッチン"ってことにはならなかったかもしれないのです(母が怒ってコンセントにはまっているコードをすべてブッチンとペンチで切断したため、すべての情報機器が昇天なさったのであります)。
ああ、ゲーム機よ、君死に給うことなかれであります。
たかがセーブ、されどセーブじゃあ~りませんか!?
各メーカーさんにはご尽力いただいて、ドラえもんのポケットから「どこでもセーブ」を出していただきたいものであります。
しかし、アタクシは最近、更なる鬼門に気が付いてしまったわけなのです。
パソコン。こちらは非常に便利なものではございます。それはアタクシも認めようというものです。しかしですね、これがいかん。消えるのが早すぎなんです。
アタクシ、姑息な女でございますから、そぉ~とそぉ~とお子ちゃまのお部屋に入ったりなんかして「何してるのかなぁ?」なんて飛び切りの笑顔で語りかけたりするわけです。
コントローラーを必要とするようなお道具ならば握っていなくちゃ商売になりませんから、子どもは必死にコントローラーを持ったままです。いわゆる現行犯逮捕ってなもんです。
「なんでゲームしてんの?」これで終わりです。話も明朗簡潔で大変よろしい。
しかし、パソコンはいけません。瞬間にして画面が変わっていたりしますから、子どもの傍に近寄ったところで画面にお勉強っぽい文字が映し出されてたりするんですね。
お子ちゃまは言うでしょう。
「アンだよ!たっくよー、せっかく集中してんのに!」
あるいは、こうおっしゃるかもしれません。
「勉強ですが、何か?」
「履歴を見せろと言えばいい」ですって? いえいえ、そこは敵のが一枚も二枚も上手でございます。そんなん先刻承知で履歴なんてもんは消されてますから。
証拠隠滅してる暇があったら漢字の一個でも二個でも書いていただけませんかね~って親がお願いしてどうする! になったりするんですよ。
嗚呼、かくもゲームとの戦いは続くわけであります。
アタクシ、手をこまねているのもナンザンスから著名な先生様のもとに伺いました。おひとりでは不安でしたので複数のその道のプロという先生様に伺いましたの。
「ゲーム? いいじゃないですか。トコトンやらせておあげなさい! やり尽くせば飽きます」
どの先生様もこうおっしゃいました。
ってことはですよ、先生様。トコトンまでやっていないからやるのだと? トコトン行くとこまで行きゃ引退するのだと? そういうことですね? ああ、光が、光が見えて参りました。
アタクシ、喜んで同じような状況下である母仲間にご報告申し上げましたの。
母仲間のひとりが言いました。
「トコトンっていつ? 何時何分何秒 家、もう高3なんですけど?」
ああ、アタクシは悟りました。
「どこでもセーブ」はゲーム機やパソコンに付けるものではなく、己が子どもにこそ付けておくべきものであると。
あのぉ~? 最先端の科学技術を誇る各ゲームメーカーさん。子どもに付ける「どこでもセーブ」を開発していただけたら大ヒット商品間違いないと思うのですが、いかがでしょう。
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